FABVOX
77 supporters
タッカー・カールソンとプーチン大統領のインタビューについての補足

タッカー・カールソンとプーチン大統領のインタビューについての補足

Mar 12, 2024

いつもFABVOXチャンネルをご視聴いただき、ありがとうございます。

約1か月かけて、このチャンネルではタッカー・カールソンとプーチン大統領のインタビューをオリジナル音声で分割配信してきました。最後まで辛抱強くお付き合いいただいき、ご視聴いただいた皆さんに、心より感謝申し上げます。 

これから、フルインタビューを配信する前に、いくつか補足をまとめてみました。字幕の中で注釈を入れるには、スペース的に無理があった部分です。

分割版をご覧いただいた皆様も、これからフルインタビューをご覧いただく皆様にも、このインタビューで話されていたことのご理解のお役に立てればと思います。 

最初にお伝えすることは、ネオナチについてプーチン大統領が「ゼレンスキーに直接話したことがある。」という下りの部分です。

タッカー配信の英語同時通訳では、こうあります。

His father fought against the fascists Nazis during World War 2

彼(ゼレンスキー大統領)の父親は第二次世界大戦中、ファシスト・ナチスと戦った。

このチャンネルの字幕では、「祖父」と訳しています。おや?っと思われた方もいるかもしれませんが、理由があります。

ゼレンスキーの父親、オレクサンドル・ゼレンスキーは、1947年12月23日生まれの科学者です。第二次世界大戦中は、まだ生まれていません。

第二次世界大戦で戦ったのは、祖父セミョン・ゼレンスキーです。旧ソ連赤軍の第 57 衛兵自動車ライフル師団の兵士です。ユダヤ人の祖父セミョンの両親はホロコーストで命を落としています。

プーチン大統領は事実を良く知っているので、直接、ゼレンスキー大統領に「君は何をやっているんだ?なぜネオナチを支持するんだ?」と話したと言っています。

英語の同時通訳をご覧になった方、もしくは、それを元にそのまま和訳されたものや解説されているものをご覧になった方は、この事実を誤認してしまうかもしれません。 

いつ話したかについては触れられていませんが、プーチン大統領とゼレンスキーが公式に直接会ったのは、2019年12月、当時のドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領と共にミンスク合意についての確認の会合だけなので、その時かと思います。つまり、特別軍事作戦に至る2年以上前に直接指摘していたことになります。

・イスタンブール合意が破棄された経緯について

ウクライナ側交渉代表者でウクライナ最高議会「国民の奉仕者」党大統領派のリーダー、デヴィッド・アラハミヤが公表しているという話も事実です。当然、日本では全く報道されていませんが、これはプーチン大統領が勝手に言っているわけではありません。

昨年、2023年11月にウクライナのテレビチャンネル1+1のインタビューに応じたことをフランス・メディア、Réseau International が11月28日付で報じています。

 記事の一部を抜粋引用します。

「ウクライナが受け入れなかったのは、まず第一に、憲法を改正する必要があったからであり、NATOへの道は憲法に明記されているからです。第二に、ロシア人は自分たちが約束したことを実行すると我々を納得させていなかった。安全性が保証されていれば、これは可能です。

私たちが何かに署名することで、誰もが安堵のため息をついたでしょう。そして、彼らはより良い準備をして到着したでしょう。彼らはそのような抵抗に対して準備ができていない状態で到着しました。二度と同じことが起こらないと100%確信していたら、私たちは歩んで行けたかもしれない。

私たちがイスタンブールから戻ったとき、ボリス・ジョンソンがやって来て、彼らとは何も署名するつもりはないと言いました。代わりに戦争に行きましょう」と。

記事の最後にはこうあります。

"彼らはとても勇気があり、独立していたが、間違った他人の音楽で踊っていたことが判明した"。

このインタビューはもちろん実在します。ウクライナのジャーナリスト、ナタリア・モセイチュクとの約1時間15分のインタビューで、そのうち約30分ほどが、ベラルーシ、ミンスクでの交渉からイスタンブールでの停戦交渉について話されています。

これは、昨年、アフリカの代表団がロシアを訪れた時に、プーチン大統領がイスタンブール停戦合意について、文書を見せて説明したことを受けてのものでした。

・エヴァン・ガーシュコビッチについて

タッカーがこだわっているように見えた、WSJの記者エヴァン・ガーシュコビッチは、2023年3月29日、「ロシアの国防企業」に関する情報を入手したとして、取材旅行中だったエカテリンブルクで拘束されました。 

ガーシュコビッチは、2016年から2017年までニューヨーク・タイムズ紙、 2017年から2020年までモスクワ・タイムズ紙、 2020年から2022年までフランス通信社に勤務し、 2022年1月にウォール・ストリート・ジャーナルに移籍しています。モスクワ・タイムズの頃から6年間ロシアに居住したままでの移籍です。

モスクワ・タイムズと言えば、日本のジャーナリスト?が、モスクワからも情報を得ていると良く持ち出されるメディアですが、これは西側資本のロシア・メディアです。当然、プーチン政権に批判的な記事も多い。そして、ニューヨーク・タイムズからの引用記事が多いのも事実です。ガーシュコビッチの職歴を見れば理解しやすいと思います。

ガーシュコビッチ逮捕に非難声明を出した米国メディアは、ニューヨーク・タイムズ、ブルームバーグ・ニュース、ポリティコ、ワシントン・ポスト。

米国上院では、ミッチ・マコーネルとチャック・シューマーが超党派の声明を発表しています。ここまで並べただけで、どういう系統の人物かはある程度想像がつきます。

 ここで、プーチン大統領が例に出した、チェチェンでのロシア兵に対する残虐な出来事を起こした人物に対し、それを清算した者がいると話しているのは、2019年にドイツ・ベルリンの公園でチェチェン共和国出身のゼリムカン・カンゴシュビリを銃で殺害した容疑で終身刑を言い渡され服役中のワジム・クラシコフ元大佐のことではないかと思われます。

殺害されたゼリムカン・カンゴシュビリは、第2次チェチェン戦争(1999-2009年)でロシアに独立を要求して闘争した野戦司令官でした。この二人の交換交渉がまとまるかどうかはわかりません。

十分な情報ではないかもしれませんが、このインタビューで話されていることの背景の一部を補足としてお伝えしておきたいと思います。

FABVOX

Enjoy this post?

Buy FABVOX a coffee

More from FABVOX